慢性腎臓病にご注意を①_慢性腎臓病とは？【看護師による健康コラム】

病気にも流行があり、特に慢性疾患はその時代、国の社会の状況を表していることがあります。「国民病」などという言葉で表現される疾患も、その時々変化してきました。
病気による死亡者数を見ても、1950年代は結核や脳卒中が高い順位をキープしていましたが、最近はガン・心臓病・肺炎という順位に変わってきています。つい最近まで「国民病」という枕詞を冠せられる疾患もやはり、がん・糖尿病・花粉症・腰痛などが中心でした。
ここにきてその一群の疾患に「慢性腎臓病（ＣＫＤ）が加わりつつあるのです。想定患者数は1330万人。実に20歳以上の成人の8人に1人の多さです。この慢性腎臓病という耳慣れない疾患、いったいどういうものなのでしょうか。
①慢性腎臓病とは
慢性腎臓病は、１つの病名ではなく腎臓の機能が慢性的に低下している状態を示す総称です。腎機能の低下を示す血液データや尿たんぱくなどが3か月以上にわたって確認されると慢性腎臓病と診断されます。炎症や感染が原因で起こる糸球体腎炎、腎盂腎炎などの病気の他、高血圧や糖尿病など生活習慣病との関連で起こる事もあります。
慢性疾患の特徴の一つは、自覚症状なく進行する事が多いということです。徐々に腎臓の機能が低下し、「慢性腎不全」にまで進行してしまうと、最終的には人工透析が必要になります。
また、心疾患や脳血管疾患の原因となることもあるため注意が必要です。