もしかしたら有害!?　手洗い・うがい・マスク②_うがい編【看護師による健康コラム】

②うがいについて

うがいの効果はやや限局的です。２００６年に福岡市の幼稚園で２万人の子どもを対象に行われた調査によると１日１回以上うがいをする子どもでは、しない子よりも発熱する割合が３２～５９％低下しています。うがいの仕方では、緑茶うがいの効果が一番高く６８％、水道水でも３０％の減少が確認されました。

しかし、２００２年から２００３年に京都大学が一般市民３９０人を対象に行った調査では、水でうがいしたグループは風邪をひく割合が４０％低下したものの、ヨード液でうがいをしたグループはうがいをしないグループと風邪の発症率が変わらなかったという結果が出ており、こちらでも消毒の効果が疑問視される結果となりました。ヨード液によって粘膜のバリア機能が低下した のではないかというのが結論です。

また、インフルエンザをはじめとするウィルスは粘膜に付着してから細胞内に侵入するまで１５分ほどであり、うがいは手洗いとセットで行われることが多いことから、うがい単体での効果はまだ立証されていないと言わざるを得ません。ですがのどの粘膜の乾燥を緩和し、痰を出しやすくするなどの効果はあるため継続する意味はないわけではないでしょう。