「介護離職　どう防ぐ？」【看護師による健康コラム】③介護離職について

②介護離職が薦められない理由
少し古いデータですが、実際に離職した人たちに対する2013年の三菱UFJ＆コンサルティング会社の調査結果(994人から返答)を見てみましょう。
それによると、離職後に精神的負担が増したと答えている人が64.9％、身体的負担が増したと答えている人が56.6％、
経済的負担が増したと答えている人が74.9％おり、仕事を辞めたことによって介護負担が軽減されていない事が分かります。
さらに、その後正社員として再就職できたのは49.8％にすぎません。離職はその後の人生にも大きな影響を及ぼす可能性があるのです。
実際に病院でのご家族の様子を拝見していると、介護負担から虐待を行ってしまったり、家族間での負担格差から家族関係にひびが入ったりといった二次的な問題も多く見られます。
また、中堅社員を失う職場にとっての損失も大きいといえるでしょう。新卒社員であっても中途社員であっても、育成コストは数百～1千万円近いとのデータもあります。
また、人手不足が深刻化する中、介護離職者が増加すると企業の労働力が低下する事は避けられなくなってしまいます。