「学童、落ちました…」

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「学童、落ちました…」

スタッフコラム

2021/03/15 「学童、落ちました…」

 

 

3月に入り、桜開花の便りも、ちらほら。

 

細長~い地形の東京都の真ん中あたりに住んでいる私の自宅近くには、

 

長い遊歩道があり、ランニングする人、歩く人たちも、足を止め、

 

写真を撮る姿が見られます。

 

そして、お子さんの進学・進級の準備に追われる季節でもありますね。

 

 

ある日、友人から突然の連絡がありました。

 

「学童、落ちました…」

 

彼女はキャンサーペアレンツ(子を持つ親の患者会)を通じて、初めて

 

友達なった、がんと闘う、いえ、がんと共に生きる「同士」です。

 

彼女は足の肉腫から始まり、骨・頭蓋骨・肺への転移。

 

そして、最近心臓にまで転移が見つかりました。

 

 

彼女は未就学の子供二人を育てながら、近くに身寄りがない状態で、幼稚園の

 

預かり保育に子供を預けながら、毎日治療へ通っています。子供が小さいから、

 

入院はできません。できる状態ではありませんし、心配ですから、したくありません。

 

彼女は「行政はがん患者に、冷たすぎる!悔しくて、悔しくて…」と、泣きながら、

 

怒りながら、私に話してくれました。現実を受け入れられず、食事ものどを通らない、

 

とも…。

 

 

行政の担当者は「働く方が最優先の加点方式なので。」との説明。

 

もちろん、健康で働き続けるお母さんにとって、預け先が見つからないことは不安要因

 

であり、一大事です。ですが、なによりも私たちにはない、「健康なからだ」があり、

 

羨ましい限りです。

 

 

彼女は病状から生活自体が立ち行かなくなりつつある状態です。もちろん、働くことなど

 

できません。元気で仕事ができるお母さんより、「毎日家にいるのだから、困ってない

 

でしょ?」と、言われているようで…。腹立たしく、決定が覆されることもないだろうと、

 

彼女は絶望しました。

 

 

私も過去に子供たちを保育園に預けていたので、通過してきた経験から、彼女の苦悩は

 

よくわかります。普通に入るのも大変だったりします。私は彼女の許可を得て、

 

自分のSNSにこの状況を投稿し、助けを求めました。ありがたいことに、たくさんの方

 

から、自分事として、色々なアドバイスをいただきました。本当に感謝しています。

 

・自治体の議員さんに話してはどうか?

・こども家庭支援センターへ行ってみては?

・地元の知り合いの議員さんから、彼女の地自体の議員さんへ話を通してみようか?

・民生委員に連絡してみようか?

・介護認定の方向からサポートできないか?

・障害者手帳が取れれば、優先的には入れるのでは?

・ツイッターで議員さんに直接訴えてみては?

・自治体のトップに手紙を書いてみては?

 

彼女自身もご主人も、色々と考え、自治体の議員さんにメールをしたり、民間学童を探したり。

 

自分のこと(=認定等に時間のかかる、障害手帳や介護認定の申請)は後回しにして、

 

目の前のことを何とかしなければ!と、必死になりました。

 

「もうこんなことでエネルギーを消耗されたくない!」彼女は言います。

 

当然の言葉だと感じました。

 

議員さんからのメールの返事は、「こども家庭支援センター」を紹介されるだけでした。

 

彼女は既に何度もそこで面談をしています。

 

 

本当に困っている人に、手を差し伸べるにはどうしたらいいのだろうか…。

 

 

行政の人だって、がんや難病・障害を持つ人はいますし、心ある人もいます。

 

でも、その杓子定規のルールが、彼女にどれだけダメージを与えたことか。

 

 

数日後、彼女の家に「こども支援センター」の担当者が面談に来ました。

 

学童は辞退者が出たら、すぐに入れるように優先順位を上げてもらえるよう、

 

お願いしたそうです。それから、家事、特に調理ができないので、宅配弁当を頼んだり、

 

家事支援を週2回、入れてもらえることになりました。

 

 

お子さんがお世話になった幼稚園の園長先生に相談して、役所に話してもらった結果の

 

この支援です。でも、肝心な4月から学童に入れる保証はまだどこにもありません。

 

それでも、彼女は少し安心した、と言っています。

 

その後、早速家事支援の人が来てくれ、ご飯を作ってくれたそうです。

 

それだけで心に余裕が出来て、子供達に優しくできたと。

 

 

それから、1週間程して、彼女から朗報が。

 

「学童、入れることになりました!諦めなくてよかったです(涙)」

 

行政に何度も相談し、議員さんにメールし、園長先生に相談し…

 

体力のない彼女が必死とった行動は報われました。

 

私も安堵し、本当に良かったと思いましたが、彼女が色々な人にSOS

 

出したことで、実った結果です。

 

 

しかし、社会弱者に対して、よりスムーズな行政の対応ができないものかと。

 

より優しい社会になることを願わずにはいられません。

 

 

 

 

YUKO

 

 

 

 

 

 

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