こんな人がいる！シリーズ　　～なおこさん～　≪前編≫

 

ゴールデンウィークも過ぎ、早々と梅雨に向かっています。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今年もまた緊急事態宣言下のゴールデンウィークとなって

しまいましたね。

そういえば、去年の今頃は何をしていたかな…。

そう、父が末期がんの昏睡状態でしたから、ほぼ覚えていません。

必死に生きていたことは確かです。

 

ところで、先日、ある方をインタビューさせていただきました。

私が会員になっている患者会「キャンサーペアレンツ」の

がん教育勉強会で仲良くなった、なおこさんです。

 

とにかく凄い方で…ブログに書きたい！と使命感を抱きました。

 

なおこさんは、すい臓がんを患っています。

すい臓がんは消化器がんの中でも手強いがんの1つです。

 

昨年の4月1日（エイプリルフール）に分かったそうです。

なおこさんはびっくりして、すぐに30～40人の友達に連絡。

「私、すい臓がんになったから、都合をつけて、私と会ってね！」と。

その言葉から、自分の先行きが長くないかもしれないこと、

時間が無いことを、熟知しているのが伺えます。

 

なおこさんには愛おしい自閉症の一人娘がいます。

「うちの娘って、人とコミュニケーションはできないし、

手先が不器用。歯磨きは磨き残しだらけだし、爪も切れないの。

蝶々結びもできない。いつまで経っても7歳児くらい。」

 

がんと分かるまでは、20年前に自身が立ち上げた会社で、時には週4日程、

全国各地に出張し、とても忙しい日々を送っていたそうです。子供とゆっくり

過ごせるのは土日くらい。だから、手を焼きたくなってしまう。

「スイカの種までとってあげたりしてたの。」

 

そんな、なおこさん。自分のがんが分かった瞬間、まず考えたことは、

子供のこと。

「とにかく心配で、心配で。私、元々とてもポジティブな性格なのに、

もの凄く落ち込んで。朝まで一睡もできなかった。」

 

最近、やっと子供のために、色々と動き出せるようになったと言います。

お金の管理ができない娘のために、法定後見人を付けようと、制度の

勉強をしているのです。

「法定後見人もいろいろでね、特にお金の面で。例えば、好きな

DVDを1枚買うのも許してくれない人もいるそうなの。娘の楽しみを

理解してくれないと、ホント困るの。だから、子供の取説を作っておく

ことにして。親亡き後、子供がどうやって生活していくのかを考えた

だけで、涙が出てきちゃう…」

 

なおこさんは子供の特性をスムーズに理解してもらえるようにと、今、

必死に模索中です。親亡き後問題・・・切実です。

 

更に、娘さんは卵巣嚢腫（良性の卵巣腫瘍）を持っていて、いずれ、

入院し、手術をしなければなりません。

「娘が入院して、離れ離れの生活なんて、考えられない。コロナ禍で、

入院の付き添いが難しいのは分かってるけど…絶対に付き添える病院を

探し出さなくちゃ。」

なおこさんは自分のことはさて置き、子供のことに必死です。

なおこさんの家系は、みな長寿。「だから、問題を先延ばししてきたの。」とも。

 

そんな、なおこさんにそっと寄り添うご主人は「人はいつか必ず死ぬ。

わかっていることで、メリットもある。」と言ってくれたそうです。

でもなおこさん、心配がぬぐえないことも…

「娘はお友達と一緒に出掛けるのが難しいから、好きなミュージカルや

ディズニーランドに連れて行ってあげたりしてたんだけど、夫は

そういうの好きじゃないから…夫からしたら、『大したことじゃない、

俺が連れていくよ。』って言うんだけど。念のため生活介護施設に相談に

言って聞いてみたら、ヘルパーさんに付き添ってもらえるそうなの。

でも、経費はこちらが全部負担で2倍になるの。」

子供のことをよく知る母親だからこそ、心配の種だらけです。

 

 

続きは明日、掲載いたします。お楽しみに・・・

 

 

 

YUKO