「自分を信じて…」高額療養費制度にまつわる活動のまとめ

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「自分を信じて…」高額療養費制度にまつわる活動のまとめ

スタッフコラム

2025/04/08 「自分を信じて…」高額療養費制度にまつわる活動のまとめ

随分と間が空いてしまいました。前回が1/8の更新だったので、約3か月間、書く時間が取れませんでした。

 

ニュースなどでも、ご存じかと思いますが、この3月までの3か月間、国会で新年度予算案が議論される中、私は高額療養費制度限度額引き上げの計画に反対する活動を行ってきました。一時は衆議院を通過しましたが、結果として、引き上げは凍結という修正がされ、新年度予算案が憲政史上初、衆議院に回付され、同意・成立しました。

 

たった一人のただの患者である私・・・政治に直接関わることなど、考えたこともありませんでしたが、結果として、たくさんのご賛同や応援をいただき、とても有難かったですし、支えてくださったみなさまには大変感謝しております。また、議員の方々や団体組織とも連携し、とても貴重な経験ができましたし、自分を信じて、行動した体当たりの挑戦は、国の新たな改悪を踏みとどまらせることとなり、多くの人に一緒に考えてもらう機会にもなり、なによりも、私自身が政治への関心を深くする変化になりました。

 

いつものように振り返るのは少々大変なので、記憶を整理しながら、感じたことをここに記したいと思います。

 

 

2024年末、急浮上した高額療養費制度限度額引き上げのニュース。タレント中居正広さんのニュースに持っていかれそうになる中、私にとっても、私の周囲の患者さんにとっても、ただ事ではありませんでした。「お金がある・ないで、いのちが差別されてしまう・・・。」

 

いてもたってもいられず、地元の市民活動の仲間に話してみると、オンライン署名を利用しては?というヒントをもらい、1月上旬、早速立ち上げようと決意。しかし、個人で呼びかけて、集まるものだろうか・・・とたじろぎ、躊躇しました。

 

そこで、周囲の信頼できる方々に更に相談してみたところ、「すごくいいと思う!!」と賛同してくれたのが、がん当事者の友だちでした。彼女とは数年前に子どもを持つがん患者のオンラインコミュニティーで出会い、お互いに東京在住ということで、一緒にウォーキングをした時期もありました。その後、しばらくの間、会うことも無かったのですが、今回のニュースで、久しぶりにやり取りをすることになり、なんと!彼女が全国保険医団体連合会の職員ということがわかり、この件を何とかしなければ、と意気投合。彼女のひとことにも背中を押され、勇気を振り絞ってオンライン署名をスタートさせました。毎日毎日投稿を続け、結果として約1ヶ月で、58154筆のご賛同をいただきました。更に、多く寄せられたコメントの内容がとても切実で、この政策を今踏みとどまらせなければ、この人たちが命を諦めてしまう、と強く感じたのでした。

 

 

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オンライン署名に続き、全国保険医団体連合会主催のアンケート調査の企画にも関わりました。「高額療養費制度上限引き上げに伴う家庭・子育てへの影響調査(子どもを持つがん患者対象)」によると(全国保険医団体連合会主催https://hodanren.doc-net.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/250220kishakaiken.pdf)、上限額が1円でも上がってしまうと、治療を止めるという声が多くありました。子育てしながら、治療をしながら、仕事もして…仕事が満足にできれば、まだよいのですが、仕事ができない人もいます。そんな人たちから、搾り取ろうとする国の姿勢・・・私には理解できません。

 

続いて、国会での国対ヒアリング、厚生労働省での記者会見など、時には我が子を連れて、永田町へ足を運び、3月になると、国会前での反対デモ(保団連加盟の医師による白衣のアピール https://hodanren.doc-net.or.jp/info/news/2025-03-13/ )にも参加してきました。SNSでは、私と同じような闘病者からの応援メッセージが多数寄せられ、一緒に国会や記者会見に参加してくださる仲間も現れ、とても力をいただき、助けられました。同行してくれた仲間は、それぞれの闘病状況や治療経験から感じた生きることへの想い、今回の高額療養費制度引き上げに対する危機感についてカメラの前で語ってくれました。

 

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高額療養費制度を利用する現役世代は400万人とも言われています。今回の当初案はその人たちの存在すら、無いものとされているように感じましたし、受診抑制を見込んで、予算を削減されていたことが暴かれた時は、本当に悲しかったですし、怒りが湧きました。命に係わる病気を抱え、治療を続けなければ、生活に支障が出てしまう患者も多くいることは、調べれば、わかること。事前調査で、どのくらいの人に影響が出てしまうのか、生活が困窮しないか、など、厚生労働省はきちんと調査すべきでした。そうでなければ、これは国の弱い者いじめになってしまいます。反対活動の結果、高額療養費限度額引き上げは凍結され、見送りとなり、ほっとしましたが、今後、夏の選挙のあとにどう変わっていくのか・・・油断できません。何にしろ、白紙撤回になってないため、私たちも注視していかなければなりません。

 

私は定期的に「がんサロン」という、患者さん同士が出会い、支えあうコミュニティーを開催しています。最初は緊張した面持ちで入ってくる人も、本音を語り合う中で、安心した表情になり、笑顔で帰っていく。これまで延べ約500人が参加し、少しづつ支えあいの輪が広がっています。私自身がステージⅣ期の肺がんということもあり、そこ集まる人たちは病状が重い、進行がんの患者さんが多くいます。今回の政策を聞いた時、私の頭にはその人たちの顔が思い浮かびました。そして、自分にできることは何かを考えた答えは、これまでのリアルな経験をさらけ出しながら、反対活動をし、仲間が泣き寝入りすることのないようにすること、でした。既に、大変な状況でもある人たちが、本当に治療を諦めてしまうかもしれない。子育てする中で、子どもの進路の選択肢を狭めてしまうのではないか、と心配しながら、なんとか頑張っている人たちを諦めさせたくない一心でした。

 

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直接取材にて取り上げていただいたメディアの記事などをご紹介します。

 

2025年2月3日

44歳子育て中に肺がん 高額な治療「やめようか」 出会いが転機に

https://www.asahi.com/articles/AST102FZ8T10UQIP054M.html

 

2025年2月6日

「高額療養費制度」上限引き上げめぐり 子育て世代が見直しを訴え

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000402992.html

 

2025年2月6日

「高額療養費制度」上限額引き上げ “育児へ影響大 見直しを”

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250206/k10014714661000.html

 

2025年2月8日

「生きることを諦めろと言われているようで絶望的」2人の子育てをしながら闘病するがん患者「あなたに数千万円の医療費」主治医の言葉に絶句 自己負担上限額引き上げの政府方針

https://www.fnn.jp/articles/-/826440?display=full

 

2025年2月16日

1錠2万円 年60万円の治療費 消える子供のためのお金 高額療養費制度修正で患者は

https://www.sankei.com/article/20250216-UAL2HQZOKZIRDHMEQ5CQBZQJUM/

 

 

2025年3月14日

「病気から回復する人が激減する」高額療養費制度引き上げ“白紙撤回”求め医師・患者ら訴え

https://news.yahoo.co.jp/articles/e013a7b4d9db6647efd8c5cef15af9a6caf26662?page=1

 

 

そして、この機会に久しぶりの再会もありました。2020年に取材をしていただいた「文化放送大竹まことゴールデンラジオ」の素敵な放送作家さんから、ご連絡をいただき、私を含め、4名のがんにまつわる活動をする仲間を紹介していただきました。

ゴールデンヒストリーXでの紹介

https://x.com/1134golden2/status/1898178505814556720

 

 

 

さて、最近の私の治療状況をお伝えしようと思います。今年に入って、病院を変えることになり、3月は検査が続きました。結果として、これまでの抗がん剤の効果が薄れているため、違うものを検討しましょう、ということで、医師からいくつか提案をしていただきました。もう使える薬がほとんど残っていないという認識の中でも、いくつかの提案は光を感じます。医師と相談しながら納得いく決断をしたいと思っています。そして、我が家には来年、受験をする子どもが二人います。ですから、これからが本当の勝負所で、現役世代のがん患者の厳しい局面となり、子どもの教育資金と同時に自分の治療にもお金がかかることが続いてしまいます。子どもの将来に私のがん治療が影響しないよう、引き続き、高額療養費制度のお世話になりながら、仕事と治療の両立を上手にしていきたいところですが・・・果たして、どうなるのかは、私にもわかりません。病気になっても、安心して子育てや仕事ができる国であってほしいですし、がんであっても自分にできることが何かを考え続けていきたいと思っています。

 

 

その他、定例の活動もこちらに記録しておきます。ぜひ、ご覧ください。

 

◆がんサロン~CancerおしゃべりCafé 開催記録

1/18開催 小平でがんサロン

家族が検査結果待ち、という方の参加がありました。適切な情報や寄り添い、精神的なサポートを常連さんと共にさせていただきました。

高額療養費制度引き上げの問題も共有。

https://note.com/yuko_mitobe/n/n9e406b3585af?sub_rt=share_pb&fbclid=IwY2xjawJZtypleHRuA2FlbQIxMQABHeXJ_s76gOiJSy9BdyD4YdBgY4W2AfrGCpIVb0Ai8zCCL1f0BPVfTCibhA_aem_fVbDY4PzvduTgjwI9-AOCg

 

2/25開催 パルシステム東京でがんサロン@国分寺

高額療養費制度引き上げられたら、治療が継続できない…という心配の声がありました。

https://note.com/yuko_mitobe/n/n86c8b1a0db72?sub_rt=share_pb&fbclid=IwY2xjawJgJlBleHRuA2FlbQIxMQABHjxn8EcBzCWhYOfJS1teUujHBBL6Garpy3sViTSHG9EA-yDzeOMbV6mJt7YX_aem_HC2j_QBlYGA-0uK5Eniiig

 

3/29開催 銭湯サロン

高額療養費制度についてミニレクチャーを行いました。桜の成分の入ったお湯に癒されました。

https://note.com/yuko_mitobe/n/n6accf5d17ddb?sub_rt=share_pb&fbclid=IwY2xjawJgJtNleHRuA2FlbQIxMQABHoFVS1JdGZnafq8vWJeIHIxJILN863E2pWJfpFUjFpfweanKmaYYZGOv2Qrw_aem_mpVCn7NlG72SclliNmss4A

3/29の銭湯サロンを取材していただきました

https://www.sankei.com/article/20250408-ONFLUKYZ6JP7BPGZU6CJKXEXQU/ 

 

次回のサロンは4/18小平サロンを開催します。

詳細はこちら

https://sites.google.com/view/cancerosyabericafe/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0#h.tib3st57ljt

 

 

◆かず&ゆうこのがんで雑談ラジオ

 

1/22

#13-1 生き続けられることは幸せなはずなのに、医療費が苦しくて、幸せじゃない人生

https://radiotalk.jp/talk/1269126

#13-2 生き続けられることは幸せなはずなのに、医療費が苦しくて、幸せじゃない人生

https://radiotalk.jp/talk/1269127

#13-3 生き続けられることは幸せなはずなのに、医療費が苦しくて、幸せじゃない人生

https://radiotalk.jp/talk/1269128

 

2/22

#14-1 りょうたんと高額療養費制度&生きてて申し訳ない…からのがん就労

https://radiotalk.jp/talk/1280638

#14-2 りょうたんと高額療養費制度&生きてて申し訳ない…からのがん就労

https://radiotalk.jp/talk/1280648

 

4/6

#15-1 がん教育子どもの気持ちを大事にするかずさん選挙とがん対策の話

https://radiotalk.jp/talk/1295938

#15-2 がん教育子どもの気持ちを大事にするかずさん選挙とがん対策の話

https://radiotalk.jp/talk/1295945

 

 

◆第4回がんについて語ろう会

アラフィフ3人ががんについてアレコレおしゃべりします。今回のテーマは「高額療養費制度限度額引き上げについて」。

どんな制度なの?限度額が引きあがったら、どうなるの?がんだけじゃない、骨折入院や早産、不妊治療…いろんなことに関わる高額療養費制度。あなたも一緒に考えてみてください!

◆駄菓子屋まちっこ

いつものように、お子さまやおとなさまの常連さんが賑わっています。

次回は4/10開催いたします。懐かしい駄菓子やいまどきの駄菓子まで、取り揃えて、お待ちしております。

詳細はこちら

https://sites.google.com/view/cancerosyabericafe/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0?authuser=0#h.bd69v3mu9gh2

 

 

◆山口県を盛り上げる会「リーダーラボ☆」 今回のテーマ「高額療養費制度」について

山口県で活動する友人同士を繋ぐために2024年12月にスタートした患者視点のコミュニティーです。それぞれが大切にしている活動も含めて、ゆるくおしゃべりしています。

【登場人物】

難病サポートfamiliarやまぐち 岩屋紀子

がん患者と家族の会 にじいろ 江中忠孝

がんサロン~CancerおしゃべりCafe 水戸部ゆうこ

https://youtu.be/ClTdnggPx5w?si=7YjR1lyOB8gYw5Qd

 

 

さて、新年度が始まり、桜が満開を迎えていますね。寒暖の差が激しくなっていますので、お出かけの際には、脱着しやすい服装で調整してまいりましょう。長文をお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

水戸部ゆうこ

 

 

 

 


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定休日:【土・日・祝】

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