イスラームに改宗した自分が「ムスリムとノンムスリムの交流会」に参加して感じたこと

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イスラームに改宗した自分が「ムスリムとノンムスリムの交流会」に参加して感じたこと

スタッフコラム

2022/09/21 イスラームに改宗した自分が「ムスリムとノンムスリムの交流会」に参加して感じたこと

私は先日、近所のモスクでよくお会いする方に誘われ、都内のインド料理屋にて開かれた「ムスリムとノンムスリムのランチ会」に参加した。事前に、どのような人が、何人ほど来るのかといった情報は聞かされていなかった。楽しみと不安が混在しながら、私はランチ会の会場へ向かった。

開始時間が近づき、20名弱の学生と、顔馴染みのインドネシア人たちがレストランへやってきた。彼らによると、レストランに来る前に近隣のモスクで、インドネシア人たちがインドネシアやイスラームの文化について教え、お昼の礼拝を見学する「モスクツアー」を行っていたようだ。

参加者全員がテーブルにつくと、パキスタン風のビリヤニ(チャーハンのようなもの)が運ばれてきた。参加した学生は、私と同年代で興味関心も似ていたので、出来立てのビリヤニを食べながら彼/彼女らとの話は弾んだ。食後にはチャイティーが振る舞われた。温かいチャイを飲みながら、和やかなムードで会も終わろうとしていたところ、この企画のリーダーの方が立ち上がり、閉会の挨拶を始めた。事件はその時に起きた。

「今日はみなさんお越しいただきありがとうございました。(中略)今後もムスリムの皆さんと私たち日本人の間で、このような交流会を続けていきたいです」

「ムスリムの皆さんと私たち日本人」
他の人は普通に聞き流していたかもしれない。だが、私にとってこの言葉は、ランチのビリヤニよりもスパイスが効いていた。なぜなら、日本で生まれ育ち、3年前にイスラームへ改宗した自分、という存在に蓋がされてしまったような気がしたからだ。

日本のムスリム人口は約20万人と少数で、その多くは海外出身だと言われている。そのため、日本にいる人の中で、ムスリムとは「日本人」ではない人、というイメージを持つ人が多いのだろう。だが近年では、海外出身の人との結婚を機に改宗する人や、その二人の間に生まれた子どもたち、私のように何かの拍子で改宗する人など、日本で生まれ育ったバックグラウンドを背景にもつムスリムも増加している。海外出身であっても、私が生まれる前から日本に住んでいる人もいる。今回私が受けた衝撃は、私の知り合いの日本で生まれ育ったムスリムたちからよく聞かれる。「ムスリム」と一言で表されても、その「ムスリム」の中に多様性がある。

「ムスリム=外国人」というような無意識のうちに持ってしまう思い込みは「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」と呼ばれるらしい。これは無意識のうちに行ってしまうため、本人も気づきにくい厄介なものだ。

先ほどの発言をした学生にも悪気はないはずである。私自身も、イスラームを勉強したり、日本で育ったムスリムたちと接する前には考えたこともなかった。あの発言のおかげで、私は「ムスリム」と「日本人」が分けて認識されているのだと身をもって経験し、今はこの記事も書けているので、むしろ感謝しているくらいである。

最近、宗教や性別、国籍などで線引きされていたものが、より細分化されているような気がする。線引きをすることで、その線の中に収まった人たちは安心感が得られる。一方でその線からはみ出た人のことを攻撃したり、無視したりする人がいる。それを気にしない人もいるけど、中には傷つく人もいる。

知り合いのムスリムは「人類はみんな預言者アーダムを祖先にもつ大きな家族です。そもそも、国で人を分けるようになったのも、最近のことですよね。」と言っていた。人間が違うのは当たり前で、分かり合えないような人も、話をしてみると共通の趣味などで、分かり合えることもある。結局みんな人なのだ。そして、人は間違えることも多い。だから、色々な価値観に触れながら、自分の持っている偏見に気付き、考え方をその都度更新していくことが必要なのだと感じた。

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