生き方を教えてくれた人

悲しい出来事は突然やってきます。

2021年2月、私は緩和ケア医である関本剛先生のことをこのブログに書きました。

https://aso-ex.jp/blog/1512/

初めて関本先生の存在を知った時、私と同じ肺がん、同じステージだったこともあり、心が震えました。そして、本当の意味で患者の心情を理解し、緩和ケア医として、お仕事を全うされる姿に感銘を受け、とても勇気をいただきました。私の中で、いつの間にか「希望の人」となっていました。

自分ががんであると分かってから出会った、「ステキだなぁ、あんなふうに生きたい。」と思うがんサバイバーの方が、次々と亡くなってしまいます。希望を失うようで、自分も同じ道を歩むようで、とても悲しく、辛い気持ちになります。

関本先生のご著書「がんになった緩和ケア医が語る　残り2年の生き方、考え方」の中に、今の私に響く言葉がありました。

「よく死ぬためには、よく生きなければならない。」

自分の人生が終わろうとしているとき、「私は幸せだった。」と言いたい。

近いか遠いか分かりませんが、私の日常は、将来迫ってくるであろう最期の時に、後悔に苛まれず、気持ちよく死ねるように積み重ねる日々なのです。

そんな生き方、おかしいと思われるかもしれませんが、死を意識せざるを得ない現実と向き合うようになってから、このような考え方に変わりました。それは関本先生のご著書を読んで、確信したことでもあります。

与えられた命をやり抜く、楽しみつくす。これが私の目標です。

関本先生、一度お会いしたかったです。

こころより、ご冥福をお祈りいたします。

ＹＵＫＯ